第四十六回:仕事を任せるタイミングとは?

経営者や管理職として、部下やチームメンバーに仕事を任せるタイミングは、組織の成長にとって重要な判断のひとつです。

「まだ早いかな?」と躊躇していると、せっかくの成長の機会を奪ってしまいますし、逆に「もうできるだろう」と無責任に丸投げしてしまうと、失敗のリスクが高まり、本人のモチベーションを下げる可能性もあります。

では、どのようなタイミングで仕事を任せるのがベストなのか?

そして、どんな方法で任せるのが適切なのか?

私自身の経験も踏まえながら、詳しく掘り下げてみたいと思います。

1. 仕事を任せるべきタイミングとは?

仕事を任せる適切なタイミングを見極めるためには、いくつかのポイントがあります。

① 70%の確信が持てたとき

完璧にできると確信してから仕事を任せるのではなく、「この人なら7割くらいはできるな」と思えたタイミングが理想的です。

なぜなら、人は「やや背伸びをしないといけない状況」で最も成長するからです。

経験が100%揃ってからでは、成長の余地がありませんし、逆に50%以下の状態で任せると、本人が自信を失うリスクがあります。

少しチャレンジングな状態で渡すことで、考える力や問題解決能力が鍛えられます。

② 失敗しても取り返しがつくとき

誰にでもミスはあります。だからこそ、任せる仕事のリスクを考え、「万が一失敗してもフォローできる範囲かどうか」を見極めることが大切です。

例えば、新人に顧客対応を任せる場合、いきなり大きな案件ではなく、比較的リスクの少ない案件から挑戦させる。

また、途中で軌道修正できるように、定期的に進捗を確認する体制を作ることが大事です。

③ 目的を理解し、自分で考えられるようになったとき

仕事は単なる作業ではなく、常に「なぜこの仕事をやるのか?」という目的があります。

仕事を任せるときに、ただタスクを渡すだけではなく、その仕事の背景や目的を理解してもらうことが重要です。

目的が明確になれば、「言われたことをやる」のではなく、「どうすればより良い結果を出せるか?」を考えることができるようになります。

「この仕事がどんな影響を与えるのか?」を理解している人に仕事を任せると、より高い成果を期待できます。

2. 仕事を任せるときに大切なポイント

タイミングだけでなく、仕事の任せ方も非常に重要です。

ここで間違えると、逆にチームのパフォーマンスを下げることになりかねません。

① 丸投げしない、適切なサポートを用意する

「任せる=放置」ではありません。

適切なサポートやフィードバックを与えることで、安心して挑戦できる環境を作ることが大切です。

具体的には、以下のようなサポートが有効です。

・進捗確認のタイミングを設ける(例:毎週1回のミーティング)

・困ったときに相談できる窓口を用意する(例:チャットや短時間の1on1)

・目標と期待値を明確にする(例:「このレベルまでできたらOK」という基準を設定)

仕事を任せること自体は重要ですが、完全に放置してしまうと、相手が迷ってしまい、成果が出ないことがあります。

「自由と責任のバランスを取る」 ことがポイントです。

② 期待を伝え、成長の機会であることを理解してもらう

「仕事を任せる」ということは、相手を信頼しているというメッセージでもあります。

この信頼が相手に伝わらないと、単なる「仕事の押し付け」と感じてしまうこともあります。

「この仕事は君にとって良い経験になる」

「期待しているよ!」

こうした言葉をかけるだけで、相手の意識は大きく変わります。

特に、若手メンバーや経験の浅い人には、成長の機会としての意味を明確に伝えることが大切です。

③ 失敗しても責めずに、学びの機会にする

仕事を任せるときに、失敗のリスクはつきものです。

しかし、失敗を過度に責めると、チャレンジする意欲を失ってしまいます。

むしろ、「この失敗から何を学べるか?」を一緒に考えることで、次の成長につなげることができます。

例えば、プロジェクトの進行が遅れた場合、

「なぜ遅れたのか?」

「どんな対策を取れば次回はスムーズにできるか?」

を考える時間を設けると、本人にとって貴重な経験になります。

「次につなげる」という前向きな姿勢を示すことで、仕事を任せられた側も安心して挑戦できるようになります。

3. 仕事を任せることがチームの成長につながる

仕事を任せることは、単なる業務の分担ではなく、チーム全体の成長につながる重要なプロセスです。

もしリーダーがすべての仕事を抱え込んでしまうと、組織の成長スピードは止まってしまいます。

一人ひとりが責任を持ち、主体的に動ける環境を作ることで、より強い組織になります。

また、仕事を任せることで、

・メンバーの能力が向上する

・リーダー自身がより重要な業務に集中できる

・組織の柔軟性が高まり、変化に強くなる

といったメリットがあります。

私自身、経営者として「どのタイミングで誰に仕事を任せるか」を常に考えています。

そして、最も大事なのは「人を信じること」だと実感しています。

仕事を任せるのは勇気がいりますが、

「この人ならできる!」と信じて機会を与えることで、組織は確実に成長します。

まとめ:あなたの組織では仕事を任せる文化は根付いていますか?

仕事を任せることは、単なる業務の分担ではなく、組織を成長させる大切なプロセスです。

「どのタイミングで」「どのように」仕事を任せるのかを意識することで、より強いチームを作ることができます。

関連記事

  • NO IMAGE

    第四十九回:独立したい従業員の送り出し方

  • NO IMAGE

    第四十八回:組織にフィットしない社員への対応

  • NO IMAGE

    第四十七回:社長の時間の使い方

ブログ一覧へ
URLをコピーする